地域主権型道州制
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3-4 税源配分の具体案③
3-4-3. 具体的な税源配分
具体的な税源配分案については、道州制の実現可能性を考えて現行制度との一定の連続性に配慮している。地域から見て道州制移行に「合意しやすい」ことが重要と考えるためである。また、共同財源の規模について3つのパターンを想定し、税源配分を検討した。なお、試算にあたっての道州の区割りは、地方制度調査会が検討した案のうち、東京を単独州とした12道州案を採用している。詳細は(区域例2)を参照のこと。
税源配分①「A:歳出充足型」およぴ「B:歳入補完型」
~現行交付税程度に共同財源を確保した場合
国・道州・市町村の各歳出割合は国:14.6%、道州:34.3%、市町村:51.1%である。そのため、国・道州・市町村の歳入比率も同程度になるように、税源配分を検討した。税源配分の際には、「地域主権型道州制」の観点から、道州や市町村の歳出に対する歳入比率が、国の歳出に対する歳入比率よりも大きくなるように配慮した。
税源配分②「C:財源保障型」
~ナショナルミニマムを全て共同財源で財源保障する場合
共同財源をナショナルミニマムに充てた場合の、共同財源の規模を把握するために検討した。ナショナルミニマムの規模は、道州・市町村の歳出の「福祉・保健・環境」と「教育・科学・文化」の合計である54兆円程度の規模を想定した。
税源配分③「D:完全自立型」
~財源保障も財政調整も行わない場合
共同財源の役割・規模を縮小することが従来議論の趨勢である。将来的に、道州制が定着することで地域の自立が志向されている。このため、共同財源を設けないケースとして検討した。
●「税源配分する際の原則」に基づき、共同財源を現行交付税程度に確保しようとすると、国の歳入が14.5兆円、道州の歳入が37.5兆円、市町村の歳入が33.4兆円で、道州の歳入が最大となる。共同財源を地方の歳入とみなして、国と地方(道州+市町村)の歳入割合を比べると、国が14.3%で、地方が85.7%となる。

・全体合計では、「道州・市町村歳出」は共同財源に頼らずとも自主財源で7割ほどがまかなわれている。
・歳出に対する歳入比率は、東京が92.9%に対して、沖縄は40.2%にすぎない。
共同財源の配分後の歳出入比率は後程の「共同財源の各道州への配分案」を参照。
・「現行交付税程度に共同財源を確保した場合」の税源配分から、地域的な偏在性と累進性の高い国の所得課税の一部と消費課税、さらに都道府県と市町村の所得課税・法人課税を共同財源に移譲し、全道州一律のナショナルミニマムの確保を目指す。
・「税源配分する際の原則」に基づき、共同財源をナショナルミニマムとして想定される54兆円程度の規模を確保しようとすると、国の歳入が14.5兆円、道州の歳入が14.6兆円、市町村の歳入が18.0兆円となる。ナショナルミニマムを全て共同財源で財源保障するため、共同財源が54.3兆円となり、国・道州・市町村それぞれの歳入よりも共同財源の金額が大きくなる。
・国、共同財源・道州・市町村の歳入割合に着目すると、国は14.3%、共同財源は53.5%、道州は14.4%、市町村は17.7%となる。事前に財源保障として、ナショナルミニマムを共同財源でまかなっているため、道州・市町村の政策上の裁量の余地は小さくなると考えられる。

・全体合計では、「道州・市町村歳出」は自主財源で約3割しかまかなわれていない。ただし、ナショナルミニマムに対する歳入は共同財源で確保している。
・歳出に対する歳入比率は、関西が40.3%に対して、沖縄は20.5%である。
・共同財源の配分後の歳出入比率は後程の「C:財源保障型」を参照。

・「現行交付税程度に共同財源を確保した場合」の税源配分①から、共同財源に充てて いた法人税分を道州、所得税分を市町村へ移譲した場合を示している。また、道州の 歳入であった消費税は、徴収方法は別にして半分程度を市町村歳入に繰り入れること で拡大した市町村歳出をまかなうことを検討している。
・国の歳入が14.5兆円、道州の歳入が42.5兆円、市町村の歳入が44.4兆円となる。道州 制における基礎自治体中心主義を反映して、市町村歳入が最大となる。
・国・道州・市町村の歳入割合に着目すると、国は14.3%、道州は41.9%、市町村は 43.8%となり、共同財源がなくなることで道州・市町村の政策上の裁量の余地は大きくなる。
・全体合計では、「道州・市町村歳出」は共同財源に頼らずとも自主財源で87.1%もまかなわれる。
・東京が、歳出に対する歳入比率160%を超えて、大幅な歳入超過となる。この点も考慮して区割りを検討する必要がある。
・沖縄、北海道、九州、東北、四国、北陸、中国の歳出に対する歳入比率は8割満たない。

・現状の税源配分では国の歳入が41.8兆円、都道府県の歳入が22.2兆円、市町村の歳入が23.2兆円で、国の歳入が最大である。
・地方交付税も国の歳入とみなして、国と地方(都道府県+市町村)の歳入割合を比べると、国が55.2%で、地方が44.8%となる。
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