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地域主権型道州制

3-5 共同財源の配分案

4パターンの税源配分案のうち、共同財源を伴う「A:歳出充足型」と「B:歳入補完型」「C:財源保障型」の3案について、以下の方法で共同財源の配分案を作成した。
なお、「D:完全自立型」は共同財源を考慮していないため、ここでの検討対象から除いた。

「A:歳出充足型」
標準的な道州・市町村事務と新たに国から移譲される事務の歳出を充足するように、共同財源から各道州に配分する。その上で、余剰財源は人口一人当たり配分を同額とする。現行の地方交付税の考え方に近い。
(計算の詳細)このパターンでの標準的な歳出規模を、道州別の基準財政需要額と国庫補助金と国から移譲される歳出の合計値として、全国合計は85.4兆円となる。この標準的な歳出に対して、東京を除いた道州で合計15.3兆円の財源不足が生じるため、まずその財源不足分を埋めるために共同財源を配分した。その配分後の残高0.7兆円を人口一人当たり同額で各同州に配分した。

「B:歳入補完型」
標準的な道州・市町村事務の財源を保障した後、客観的な指標(人口と面積)に基づき共同財源を配分して歳入を補完する。
(計算の詳細)このパターンでの標準的な歳出規模は、「A:歳出充足型」から国から移譲される歳出規模を除外して、全国合計で53.2兆円とする(このパターンでは、国が行ってきた歳出は道州制移行時に、人口と面積という客観的な指標で財源を保障されるべきという考え方に立つ)。この標準的な歳出に対して北海道、九州、沖縄で合計0.7兆円の財源不足が生じるため、まずその財源不足分を埋めるために共同財源を配分した。その配分後の残高15.3兆円を、「人口:面積=6:4」の割合で分け、人口・面積の単位当たり同額を各道州に配分した。

「C:財源保障型」                    
各道州のナショナルミニマムを全て共同財源で財源保障する。
(計算の詳細)道州と市町村の新たな役割分担における「福祉・保健・環境」「教育・科学・文化」の歳出をナショナルミニマムとみなし、金額は54兆円規模となる。この金額を共同財源で充足するように、各道州に配分した。



 

・共同財源の配分後、一人当たり歳入の最大は沖縄の98.8万円である。一方で、共同財源の配分後、一人当たり歳入の最小は南関東の52.4万円でる。
 

・これを最大の沖縄を1として指数化すると、北開東、南関東、東海で0.6に満たず、共同財源を含む一人当たり歳入では半分程度である。

・歳出に対する歳入比率の最大は、沖縄の95.3%である。一方で、歳出に対する歳入比率の最小は、関西の83.2%となる。

・各地域の歳出に対する歳入比率を比べてみると83.2~95.3%で、道州間で比較的バランスがとれている。


 

・共同財源の配分後、一人当たり歳入の最大は北海道の85.9万円である。一方で、共同財源の配分後、一人当たり歳入の最小は南開東の58.2万円である。

・これを最大の北海道を1として指数化すると、最低の南関東で0.68となり、「A:歳出充足型」よりも共同財源を含む一人当たり歳入では格差が縮小する。

・歳出に対する歳入比率の最大は、東京で102.0%である。一方で、歳出に対する歳入比率の最小は、沖縄の63.8%である。

・歳出に対する歳入比率が63.8~102.0%にわたり、「A:歳出充足型」よりも道州間でばらつきがある。


・共同財源の配分後、一人当たり歳入の最大は関西の78.5万円である。一方で、共同財源の配分後、一人当たり歳入の最小は北開東の60.1万円である。

・これを最大の関西を1として指数化すると、最低の北開東、南開東でも0.77となり、「A:歳出充足型」「B:歳入補完型」よりも共同財源を含む一人当たり歳入の格差は縮小する。

・歳出に対する歳入比率の最大は、南関東と関西の98.7%である。一方で、歳出に対する歳入比率の最小は、沖縄の65.4%である。

・歳出に対する歳入比率が65.4~98.7%にわたり、道州間で「B:歳入補完型」と同程度のばらつきがある。

・ただし、ナショナルミニマムが確保された上での地域間における差異といえる。













・国や市町村から道州への歳出移管額は23.2兆円で、道州歳出は総額40.1兆円となる。これに対して、道州歳入は「税源配分①:現行交付税程度に共同財源を確保した場合」に37.5兆円となる。「税源配分②:ナショナルミニマムを全て共同財源で財源保障する場合」の道州歳入は14.6兆円であり、仮に共同財源の1/4程度を含めると28.2兆円となる。「税源配分③:財源保障も財政調整も行わない場合」で、道州歳入は42.5兆円となる。これら3つの税源配分と現行制度での都道府県財源22.2兆円(交付税等を除く)を比べると、「税源配分(彰:財源保障も財政調整も行わない場合」で、最大20兆円程度の税源移譲が道州制移行により道州に対して行われることになる。


・国や都道府県から市町村への歳出移管額は26.8兆円で、市町村歳出は総額59.8兆円となる。これに対して、市町村歳入は共同財源を含めると「税源配分①:現行交付税程度に共同財源を確保した場合」に49.5兆円となる。「税源配分②:ナショナルミニマムを全て共同財源で財源保障する場合」の市町村歳入は、仮に共同財源の3/4程度を含めると58.7兆円となる。「税源配分③:財源保障も財政調整も行わない場合」で、市町村歳入は44.4兆円となる。これら3つの税源配分と現行制度での市町村財源23.2兆円(交付税等を除く)を比べると、「税源配分②:ナショナルミニマムを全て共同財源で財源保障する場合」で、最大35兆円程度の税源移譲が道州制移行により市町村に対して行われることになる。

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