地域主権型道州制
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3-7 国の長期債務の取り扱い①
この節では、長期債務問題が国固有の責務であることを明らかにするとともに、道州制の制度設計に対して直接的には影響を与えないことを示していく。
まず、国の一般会計予算を概観し、そのなかでプライマリーバランス(PB)の定義を確認する。その上で、グロス(総額)の予算貌模にかかわらず、PBが一定であることの重要性が示される。次に、債務の改善要因を検討する。そこから、グロス債務の大きさよりもPBを均衡もしくは黒字化することこそが、財政運営において最も配慮すべき点であることがわかる。また、債務改善の導出式よりマクロ経済と財政健全化の目標が導き出される。
さらに、わが国の場合には金融資産が多く、民営化により資産・負債をセットで減少させることが可能であり、グロスの債務規模よりもネット(資産マイナス負債)の債務規模を重視することが重要であることが示される。そこで、グロスとネットの債務残高対GDP比を国際比較する。ネット債務比で見れば日本の比率は先進7カ国と同程度であることがわかる。また、近年における債務指標の悪化は、GDPの伸びが他国に比べて低く、成長政策が行われてこなかったことも理由として考えられる。
最後に、ネット債務残高対GDP比の将来准移を准計し、適切な成長政策を行い、PBを改善させることで財政問題は解決されることが示された。
PBの再考とネット債務問題に関するこれらの検証から、債務問題は道州制を導入するか否かに関係なく、国が責任を持って対応すべきことがわかる。
3-7-1 債務の規模
まず、表7より債務の及模を確認する。2009年6月末現在の、わが国の国債及び借入金現在高は860.2兆円である。そのなかで政府短期証券(FB)は国が一時的な資金不足を解消するために市中に発行しているものである。定常的に発生するものなので、いわゆる長期債務として見る場合に国がその多寡を考慮すべき範囲は、普通国債、財政投融資特別会計国債(財投債)、及び借入金等を合計した、741.1兆円であると見なすことができる。






