新年にあたり、振り返り思うこと(8)
【円高】
日本が抱える円高という問題は、はっきり言えば他国のあおりを受けたものである。日本経済自体、リーマンショックの後遺症が癒えはじめたところに東日本大震災が襲来し、経済はぼろぼろである。それでも復興特需があるから何とか立ち上がりつつあるところと言えるだろう。
一方、アメリカやヨーロッパ経済がリーマンショック後の財政出動の影響が出てきており、その先行きが非常に心配されている。そのため、円が買われ円高になっている。日本経済の実情を反映したレートではなく、他国が落ちているので相対的に日本がよく見えるから「円高」という状況だ。
今の70円台後半という水準は、アメリカ・ヨーロッパの低迷に伴うもの。適正レートは90~100円というところではないか。適性レートに戻るかどうかは、欧米の金融財政問題のメドがいつつくか、経済がいつごろ回復するかにかかっていると言えるだろう。しかし、なかなか欧米の回復は望めないのではないか。このままいけば、70円台前半も覚悟しておかなければなるまい。円高は、この一年前後続くと考えておいたほうがいいだろう。それを前提に、国も企業も対策を立てておいたほうがいい。ただ、円高で原発停止を補うための原油輸入にとっては大きなプラスになっていることは事実。
ただし輸出構造は大きく変わっている。以前に比べて、円建て輸出の比率が増えている。ドル建ての多い米国向け輸出が減って(16.6%=2010 年)、企業間取引の多いアジア向け輸出が増えて(56.1%=同)いる。これが望ましい動きであることは言うまでもない。
少子・高齢化、そして、六重苦で国内需要の伸びがなくなっているので、企業は海外に出て行くしかない。その結果として、昔よりも「円高が怖い」体質が強化されてしまったのではないか。ゆえに昨今の日本の大企業は、押しなべて海外売上比率が上昇している。
いずれにしても、①円高、②高い法人税、③自由貿易化の遅れ、④労働規制(製造業への派遣禁止)、⑤温暖化対策(CO2削減)、⑥電力不足の六重苦の日本企業の先行きは暗い。まして、安易なリストラが、優秀な技術者を海外企業、特に韓国、中国へ追いやり、結果、ブーメランのように日本企業に大きなダメージを与えている。
しかし、その日本企業を劇的に回復させるための方法は、六重苦を解決するとともに、「職人企業」の道を選択するか、あるいは、これからの先端技術、すなわち、①環境技術、②再生エネルギー技術、③先端医療技術、④新素材技術、⑤先端IT技術などを異次元で商品化できる「頭脳企業」になることだ。(iPhoneは、ウォークマンを創ったソニーが異次元技術商品として開発商品化すべきであった)。そのように「職人企業」「頭脳企業」に日本の企業が脱皮したとき、そのとき、日本の経済も企業も活性化し、日本は再び日の昇る国になるだろう。





